認知症ケア等の人件費を調査

 

 

 全日本病院協会(西澤寛俊会長)はこのほど、「認知症を持つ要介護高齢者への適切な医療・ケアの構築に関する調査研究事業」報告書を公表しました。一般・精神・医療療養・介護療養の各病床で認知症がある患者の方が、医療処置及びケア時間の総時間が長く、人件費が高くなる傾向が示されました。

 研究では第1次調査と第2次調査を実施しました。1次では医療機関等における老健施設等への転換計画等を確認しました。2次では1次で協力が可能と回答した17病院で認知症患者にかかわる労働力と費用について調査・分析を行いました。

 第1次調査は、全日病及び日本慢性期医療協会全会員病院の計2686病院を対象に昨年8月に実施しました。691病院が回答しました(回答率25.7%)。このうち老健への転換計画を持つのは91病院(13.2%)であり、転換予定病床数は6623床です。また介護療養病床を持つ病院(236病院、計1万7630床)では「未定」が最も多く、7648床(43.4%)です。医療療養病床への転換が5355(30.4%)床、医療療養病床以外4627床(26.2%)などです。

 第2次調査では、認知症の有無別に患者1人1日当たりの「医療処置及びケア時間」と「人件費コスト」について一般・精神・医療療養・介護療養の各病床で比較しました。このうち医療処置及びケア時間の合計について「認知症あり」から「なし」を引いた時間が最も多かったのは一般病床の85.5分でした。また人件費コストにおける差分でも最も高くて5173円です。また医療療養では「認知症あり」が56.7分多く、人件費コストも1195円高くなっています。

 報告書では、「認知症患者が広く一般病床や療養病床に入院できる体制や診療報酬・介護報酬を決めていく必要がある」としています。