人材確保には多面的対策を

 

 医療経済フォーラムジャパンは9日、都内でシンポジウム「高齢者の医療と介護」を開催しました。厚労省老健局の鈴木康裕老人保健課長が基調講演を行い、介護従事者の確保問題について、介護報酬だけでの対応では限界があり、多面的な対策が必要と指摘しました。

 シンポジウムの座長は医事評論家の水野肇氏が務め、シンポジストとして財務省主計局の太田充主計官、唐澤祥人・日医会長、多田宏・国保中央会理事長、田中滋・慶應大教授、渡辺俊介・日経新聞論説委員らが登壇しました。

 基調講演において鈴木課長は、次回介護報酬改定に向けて介護従事者の人材確保対策の検討が必要としたうえ、「介護報酬という、事業者にいくお金だけで影響を与えられる部分がどれだけあるかについて議論すべきだ。補助金や基準の見直しと組み合わせて、多面的な対策が必要である。ただし、全ての施設に対し、広く薄く手当てするということではなく、どうしても赤字になってしまう地域や施設規模などの観点から考えて手当したい」と述べました。

 そのほか介護報酬改定の重点として△医療との連携△認知症対策推進△前回改定の変更点の検証△サービスの質の確保・効率性をあげました。

 医療と介護の連携では、20年度診療報酬改定と整合性をとるべきとし、特に地域で医療から介護への円滑な移行のための体制づくりを強調しました。

 認知症高齢者の増加への対応では、いずれ新しい治療薬によりアルツハイマーの進行を止められる時代がくることにも備えていくべきと述べました。

 18年改定で導入された新しい加算やサービスについては、利用者と事業者の声を聞きながら検証する必要があるとし、サービスの効率化のため、事務負担の軽減も検討したいと述べました。