健康ITカード導入構想示す (医療のIT化)

 

 柳澤伯夫厚生労働相は3月16日の経済財政諮問会議で、被保険者が自分の特定健診やレセプトの内容を出入力できる「健康ITカード」(仮称)の導入構想を紹介しました。3〜4年後の健康保険証の完全カード化実現後に希望者を対象にスタートします。投薬の状況や検査結果を蓄積することで重複検査をなくすほか、各種手続きの簡素化や申請漏れの防止に役立てます。

 こうした機能を持たせるためカードはIC(集積回路)を装着することが想定されています。ICカードは大容量の情報を蓄積することができ、セキュリティも高いとされています。なお、健康保険証は3〜4年後に完全カード化する際に、二次元コード(QRコード)を装着する計画となっています。QRコードはICよりも情報集積容量は小さいですが、費用は格段に安いです。

 費用の問題のほか、個人情報漏洩に対する懸念などがあるため、導入に当たっては費用対効果や標準化、国民の合意形成などの検討を進める必要があります。このため、はじめは希望者を対象に配布するとしており、導入は最短で5年程度かかると見込まれています。ただしICカードは秘密鍵や電子証明書の活用により厳格な本人確認ができます。

 「健康ITカード」の導入で被保険者は、健診やレセプトの結果を出入力できるほか、投薬や検査の情報も蓄積でき、申請手続きも簡素化されるなどの利便性につながります。一方、保険者にとっては資格確認や保険料の未納者対策での活用が期待されます。

 厚生労働省は「健康ITカード」を社会保障番号の導入にもつなげたい考えです。社会保障番号が導入されれば、行政と保険者がオンラインで結ばれ給付申請漏れを防げるようになるほか、社会保険と労働保険の手続きが一元化されるなどのメリットがあります。