がん患者の53%は「がん難民」 (医療政策機構)

 

 日本医療政策機構(黒川清代表理事)は12月7日の会見で、がん患者の53%が「がん難民」であるとするアンケート調査の結果を発表し、がん難民を解消すれば年間最大5200億円の医療費削減効果があることを示しました。

 同調査ではがん難民を「医師による治療説明に不満だった、または納得できる治療方針を選択できなかったがん患者」と定義しました。がん難民はそのほかのがん患者よりも、複数の医療機関を受診するなどの理由で医療費が余分にかかります。そのため同機構は「医療費削減効果も視野に入れた投資としてもがん難民を解消すべき」と提言しました。

 がん難民は納得できる治療を求めて多くの医療機関を受診しており、保険診療費でほかのがん患者の1.47倍、総医療費で1.72倍の医療費がかかっていると推計しました。機械的に計算しますとがん難民が100%解消すれば、国民医療費の削減効果は年間最大5200億円に上るといいます。

 これは毎年32兆円程度の国民医療費の約1割を占めるがん医療費のうち、2割程度に相当します。がん難民を解消する方法としましては、患者が理解できるまで時間をかけた医師からの治療内容の説明、専門医の有無や病院・医師の治療成績をインターネットで公開することなどをあげました。

 近藤正晃ジェームス副代表理事は解決方法について会見で「情報というキーワードがすべてに当てはまる」と述べました。また調査の精度を高めるにはがん患者の定義を明確にすることが必要と指摘しました。

 同調査の定義によるがん難民はがん患者の53%を占め、日本全体では約68万人に相当します。がん難民になるのはがんの進行度や性別、年齢、がん原発種類とは無関係で、がん難民の90%が現在のがん医療に不満を持っています。