特養退所者の三割は施設内で死亡 (終末期ケア)

 

 

 医療経済研究機構がこのほどまとめた「特別養護老人ホームにおける終末期の医療・看護に関する調査研究」で、特養退所者の約3割は施設内で死亡していることがわかりました。また、嘱託医や隣接病院の協力を得られる特養で施設内死亡率が高いこともわかりました。外部の医療機関との連携をとりながら、必要な医療を確保していることがうかがわれます。

 

 調査は、看取りまで含めた特養の終末期対応の実態を把握する目的で全国3000施設を対象に実施しました。回答内容に不備のない1730施設(57%)について分析しました。調査期間は平成14年11月〜12月です。

 

 その結果、1730施設における過去1年間の退所者数は1万8744人で、そのうち約75%が死亡退所でした。退所者のうち、病院・診療所での死亡が47.6でありましたが、特養内の死亡も28.6%ありました。

 

 常勤医がいる施設は5.0%にとどまりますが、内科の嘱託医がいる施設は93.9%でした。夜間の対応は、「必要に応じて訪問」が44.9%でした。「電話での指示」が39.5%でした。

 

 特養内の死亡率が高い施設には、「原則として施設内で看取る」ことを基本方針として明確化しているという特徴がみられます。入所時に終末期に関する方針を入所者や家族に説明し、施設内で亡くなりたいという希望を原則的に受け入れています。

 

 また、「隣接病院がある」、「嘱託医に夜間・休日でも必要なときに訪問してもらえる」、「施設内で実施する医療処置の内容が多い」など、施設内で対応できる医療の範囲が広く、隣接病院のサポートや、いざというときの対応が期待できる施設で特養内の死亡比率が高い傾向がみられ、医療内容の重要性が示唆されたと報告書は分析しています。