ALS患者を対象にヘルパーのたん吸引認める

 

 

 厚生労働省の「看護師等によるALS患者の在宅療養支援に関する分科会」(座長=前田雅英・東京都立大法学部教授)は5月13日に会合を開き、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の患者に対し、一定の条件の下で、ホームヘルパーやボランティアによるたんの吸引行為を認める内容の報告書をまとめました。

 

 たんの吸引は、医療行為とされ、医師または看護師が行うものとされていますが、ALS患者が在宅で療養を続けるためには、口や気管支内のたんを頻繁に吸引する必要があり、家族の大きな負担となっています。このため、ALSをはじめとする患者団体が昨年11月、ヘルパーにも吸引行為を認めるよう求める要望を坂口厚生労働大臣に提出しました。これを受けて、同分科会が今年2月に設置されました。

 

 報告書は、ヘルパーなどによるたんの吸引は、医師及び看護師により十分なサービスが提供されるならば実施する必要はないとしつつも、家族の負担軽減が求められる現状から、「一定の条件の下で、当面の措置として行うことはやむを得ない」との判断を示しています。また今後、訪問看護サービスの充実に応じて、適宜見直す必要があるとして、3年後にALS患者をとりまく療養環境を確認すべきだとしています。

 

 ヘルパー等がたんの吸引を行う際の条件は以下の通りです。

 

 

@  かかりつけ医や看護職員が定期的な診療や訪問看護を行い、適切な医学的管理を行う。

 

A  ヘルパーはかかりつけ医や看護職員からALSについての必要な知識を習得するとともに、たんの吸引方法について指導を受ける。

 

B  患者が文書により同意する。

 

C  かかりつけ医や看護職員、保健所保健師、ヘルパーなどで緊急時の連絡・支援体制を確保する。